おすすめの会計ソフトの選び方とは?個人事業主向けソフトについて徹底解説します

最近、個人や法人用の会計ソフト導入の話題をよく聞くようになっています。

個人事業主やフリーランスにとっても、確定申告や最近導入されたインボイス制度との関係で、会計ソフトを導入することが必須の状況となっています。

しかし、自分の業務にあった会計ソフトをどのように選んだらよいか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

本記事では、会計ソフトの選び方、個人事業主にもやさしい、ほんとうに必要な機能を備えた会計ソフトについて、基礎からその活用法まで丁寧に解説します。

目次

個人事業でも会計ソフトって必要?税務上のメリットが高い

個人事業でも会計ソフトって必要?税務上のメリットが高い

個人事業主の方にとって、新しい会計ソフトの導入はハードルが高いですよね。

まずは、本当に個人事業でも会計ソフトが必要なのかについて考えてみましょう。

個人事業主は、毎年、確定申告を実施しています。

もちろん、確定申告を実施しなければ脱税となってしまいます。

確定申告の方法として

  • 白色申告
  • 青色申告

二つの方法があります。

白色申告 簡単だが税務上のメリットがない

白色申告 簡単だが税務上のメリットがない

白色申告の場合は、複式帳簿などの面倒な手間がかからないので、必ずしも会計ソフトの導入は必要ありません。

基本的には入出金の金額で、売上と経費を計上すればよく(単式簿記)、簿記の知識がなくても作成がしやすい申告方法です。

ただ、白色申告の場合、以下で解説する、税制上のメリットがありません。

  • 白色申告は記帳・申告書の作成が楽
  • 税務上のメリットが少ない(青色申告特別控除、繰越欠損、貸倒引当金、少額減価償却資産の特例などが使えない)
  • 会計、簿記知識がない人、売上規模も小さく節税も不要な人におすすめ(とはいえ、事業を続けていくのであれば、規模にかかわらずおすすめしない)

青色申告 複式簿記で記帳、複雑だが税務上のメリットあり

青色申告 複式簿記で記帳、複雑だが税務上のメリットあり

これに対して、青色申告では、複式帳簿で作成します。それ以外にもさまざまな記帳業務が生じてきます。

青色申告のメリットは、青色申告特別控除を受けれられるという点です。

青色申告者に対しては種々の特典がありますが、その1つに所得金額から55万円(一定の要件を満たす場合は65万円)または10万円を控除するという青色申告特別控除があります。
(国税庁:No.2072 青色申告特別控除より抜粋)

青色申告特別控除は最大65万円の控除を受けることができます。すなわち、事業所得(利益)のうち、65万円を差し引くことができ、その分、税金が安くなります。

個人事業にとってはとても税務上のメリットが高くなっています。

個人事業主にとってメリットの高い、高額の税額控除を受けるためには、複式帳簿が税務上も必須と規定されています。

青色申告特別控除65万円を受けるための要件は以下の通りです。

  • 事業所得や不動産所得があり
  • 複式簿記で記帳している
  • 貸借対照表と損益計算書を作成し添付
  • 期限内に申告していること
  • e-taxまたは優良な電子帳簿で保存していること

参考:65 万円の青色申告特別控除

参考:青初心者でも使いやすい!青色申告におすすめの会計ソフト徹底解説|タックスナップ

複式簿記で記帳するためには会計ソフトの導入がおすすめ

複式簿記で記帳するためには会計ソフトの導入がおすすめ

会計ソフトは複式簿記で記帳する機能が優れており、簿記の知識がない方でも取り組みやすくなっています。

このため、青色申告をする個人事業主では、会計ソフトの導入はとても重要になります。

青色申告については、下記のように国税庁から帳簿の保存方法が指定されています。
参照元:記帳や帳簿等保存・青色申告/国税庁

また国税庁でもYouTubeに対応しており、青色申告、白色申告の記帳の仕方を公開しています(下記)。会計ソフト自体ではありませんが、ソフトの基本でもあり、参考になるかと存じます。
参照元:記帳・決算のしかた/国税庁

なお最近はインボイス制度も導入されており、電子帳簿自体が消費税の還元において、必須とされています。

現在、移行期間も設けられていますが、確定申告後の問合わせがあった場合は、電子帳簿での提示が必要になっています。

白色申告であっても、適切な会計ソフトの導入は業務効率を大幅にアップさせます。また白色申告者でも、取引先がしかるべく、会計ソフトでの取引を求める場合もあります。

これを避けてしまうと、当該取引から排除される場合も多く、公正取引委員会などに提起することもない訳ではありませんが、事実上、依頼先指定の会計ソフトを使用する場合が、実態として数多くあります。

会計ソフト導入のメリット

以上のように、個人事業主は、白色申告は別ですが、特別控除等を利用する場合は、会計ソフトを導入した方がよいといえます。

ここでは会計ソフト導入の3つのメリットについて、解説します。

メリット①:簿記の知識は不要

まず会計ソフト導入のメリットとして、一番大きいのは簿記の知識が不要ということです。

複式簿記の知識がなくても、確定申告時の「青色申告特別控除」の書類も簡単に作成できます(複式簿記は、青色申告での必須の知識です)。

個人事業主やフリーランスで、簿記の知識があまりない場合でもおすすめです。

会計ソフトを利用すると、ソフト導入時の一定の慣れのための時間は必要になるものの、入力項目、特に源泉徴収の有無や、消費税の計上の有無など、業務依頼元の各種要望等を踏まえて、正確な帳簿を作ることができます。

メリット②:税法改正にも対応できる

次に、会計ソフト導入は、さまざまな税法上の改正に対して正確な情報を提供してくれることが上げられます。

日本では他国と比べても、税制改正が頻繁に行われますので、大手企業でも対応に遅れが出る場合もあるくらいです。

個人事業主にとっては、非常にハードルも高いといえるでしょう。

適正な会計ソフトでは、定期的に税制改正がアップデートされるため、最新の改正に合わせた計算や確定申告ができます。

たとえば以下のリンクのように、大手会計ソフトでは、最新版の改正に対応した申告が可能です。
参考:freee申告、令和4年度の法人税の税制改正に対応 新たな機能も追加提供開始

メリット③:計算ミスや数値の確認ができる

また会計ソフト導入は、当たり前ではありますが、計算ミスなどが大幅に低下します。

電卓を片手にして、時間をかけて数値計算を行うといった時間やコストの低減もできます。

会計ソフトには、バックアップ機能やエラーチェックなどが自動で実施されるので、安心です。当然、数値入力や計算の自動化にも対応しており、個人事業主などの時間があまりない人には有益なツールとなります。

会計ソフト導入のデメリット

ここからは会計ソフト導入のデメリットについても、3つ説明します。

デメリット①:ランニングコストがかかる

会計ソフトの導入には、初期費用や毎月の料金がかかるのが一番の難点です。

特に個人事業主は、事業支出に対して、ソフト費用の割合いが高いので、注意が必要です。

ランニングコストを抑えるためには、会計ソフトの導入元の料金プランと、自身の利用頻度をこまめに照らし合わせて、最適なプランを導入することが必要です。

会計ソフトの料金相場は月額1,078円~4,378円・単体製品16,500円~が相場
参考:会計ソフトの料金相場と選び方【各社徹底比較】

デメリット②:会計ソフト導入時の設定が難しい

ネットからのソフト導入に詳しい方は別として、会計ソフトのPC設置時の時間や手間がかかるという問題があります。

クラウド会計ソフトは事業用で利用しているネットバンクと連携をすることが可能です。支払と同時に、会計ソフトに情報が飛び、自動的に記帳・仕訳をしてくれます。大変便利なのですが、連携の設定は初心者には難しい場合も多いです。

会計ソフト導入に対して、導入の際のサポートが充実していたり、自動で設定可能なソフトを選ぶとよいでしょう。

もしくは、会計士・税理士等の専門家に運用サポートをしてもらうことがおすすめです。

デメリット③:ネット環境でしか利用できない

最後に、ネット環境での業務が多いと思われますが、会計ソフトの適正な稼働環境の問題があります。通常は、PC以外の携帯・スマホでは確認は可能ですが、計算等はできない場合もあります。特にクラウド型の会計ソフトが大半ですが、この場合はインターネット上でしか、稼働しません。

参考記事:個人事業主向け会計ソフトを導入するメリット・デメリット

会計ソフトを選ぶ際にチェックしたい3つのポイント【初心者・確定申告・コスト面から解説】

続いて、会計ソフトの選び方についてです。個人事業主が会計ソフトを選ぶ際には、「なんとなく安そう」「知っている名前だから」といった理由だけで選んでしまうと、後で機能不足や使いづらさに悩むこともあります。ここでは、失敗しないための選定ポイントを3つに絞って解説します。

①初心者でも使いやすい操作性・サポート体制か

個人事業主として会計に初めて取り組む方にとって、画面の分かりやすさやナビ機能の充実度は非常に重要です。取引の入力や帳簿作成の操作が複雑だと、日々の業務がストレスになってしまいます。

また、チャットや電話で質問できるサポート体制があるかどうかも確認しましょう。

freee や マネーフォワードクラウド会計などのクラウド会計ソフトは、操作マニュアルやチャットサポートが充実しており、初心者でも始めやすいと好評です。

🔗参考:
国税庁|記帳・帳簿等の保存制度
→ 記帳義務や帳簿の付け方についての基礎情報は、まずこちらをチェック!

②確定申告(特に青色申告)にスムーズに対応できるか

上述した通り、多くの個人事業主が会計ソフトを導入する最大の理由は、「青色申告をスムーズに行いたい」という点です。

青色申告を行うことで、最大65万円の特別控除を受けることができるため、節税効果は非常に大きくなります。(参考:国税庁|青色申告の特典

そのため、ソフトを選ぶ際は「青色申告対応」と書かれているだけでなく、e-Tax対応の確定申告書が自動で作成できるか、提出までのフローが簡単かも確認しましょう。特に弥生会計オンラインなどは、青色申告のサポートに強みを持っています。

③継続的に使えるコストパフォーマンスか

会計ソフトは毎月/毎年の料金がかかるサービスが主流です。導入しやすい価格であっても、長期的に使い続けるとなると、コストパフォーマンスの差は大きくなります。たとえば、「帳簿作成だけで良い人」と「請求書発行や給与計算まで一元化したい人」では、必要な機能が異なるため、選ぶべきプランも変わってきます。また、「最初の1年間は無料」というキャンペーンもありますが、2年目以降の価格設定まで含めて比較しておくのがポイントです。

補足:無料と有料ソフト、どっちがいい?

最近は完全無料で使える会計ソフトもありますが、無料版では機能が限定されていたり、サポートがなかったりします。特に青色申告やe-Taxの提出まで考えると、初年度だけでも有料ソフトを使う価値は十分あります。

参考:中小企業庁|IT導入補助金について
→ 会計ソフト導入にも補助金が活用できる場合があります。

会計ソフトを選ぶ際は、「誰にでもおすすめな1本」ではなく、あなたの事業形態や知識レベル、将来の運用方針に合ったソフトを選ぶことが大切です。比較サイトのランキングだけに頼らず、上記のポイントをもとに、自分にとって最適な会計ソフトを見極めましょう。

個人事業主向け会計ソフトのおすすめをご紹介【各社比較・具体的な選び方】

では、以下より、個人事業の方にとってもおすすめの会計ソフトをご紹介します。

個人事業主にとって、会計ソフトをどのように選んだらよいでしょうか。

飲食業、IT関連の業種などの業種毎のおすすめ。一括購入できるパッケージ型を好む人など、目的別におすすめの会計ソフトをご紹介します。

ご紹介する会計ソフト7選

まず本記事でご紹介する、会計ソフト7選について、概要を下記にまとめました。

会計ソフトには、大きく分けて、毎月課金されるクラウド型と、一括購入が可能なインストール型(パッケージ型)があります。

記事では、主なクラウド型を4つ、主なパッケージ型を3つ選択しております。

いずれも国内で実績のある会計ソフトですので、お役に立てるかと存じます。なお前項で記載した「確定申告」と「電子帳簿法」には、全てのソフトが対応しているので安心です。

会計ソフト7選 比較表

🎯 目的別おすすめソフト

  • とにかくコストを抑えたい → やよいの青色申告オンライン(フリープラン)
  • 自動化で業務効率を最大化したい → マネーフォワード クラウド会計
  • スマホ1台で完結したい → freee会計 / Taxnote
  • 買い切り型で使い続けたい → みんなの青色申告 / MJSかんたん青色申告
  • 法人・中小企業で本格的に導入したい → 勘定奉行
ソフト名 タイプ 料金プラン(詳細) 無料体験 主な機能 具体的な特徴
やよいの青色申告オンライン クラウド型 フリープラン:無料(機能制限あり)
ベーシック:12,650円/年
トータル:23,100円/年(電話サポート付)
1年間無料(ベーシック) 確定申告書作成、仕訳自動、スマホ入力 初心者向け。ナビ付き申告フロー。スマホ操作も快適。帳簿作成がガイド付きで簡単。
マネーフォワード クラウド会計 クラウド型 ミニ:1,408円/月
パーソナル:1,848円/月
プラス:3,278円/月(電話サポート付)
30日間無料 自動仕訳、口座連携、レポート、電子申告 金融機関と連携して仕訳を自動化。レポートで経営状況を見える化。請求書や経費精算も一括管理。
freee会計 クラウド型 スターター:1,628円/月
スタンダード:2,948円/月
プレミアム:3,647円/月(電話サポート付)
30日間無料 スマホ記帳、OCR読取、自動仕訳 家計簿感覚で仕訳入力。副業や複数事業にも対応。スマホでレシート撮影→即仕訳可能。
みんなの青色申告 パッケージ型 11,000円(税込)買い切り 15日間体験版 帳簿作成、申告書、仕訳帳、レポート 画面がシンプルで操作直感的。必要な機能に絞っており、手軽に始めたい人におすすめ。
MJSかんたん青色申告 パッケージ型 13,200円(税込)買い切り 30日間体験版 帳簿作成、申告書、仕訳、レポート 画面と帳簿を同時に表示できる。サポートが手厚く、操作サンプルも豊富。
勘定奉行 パッケージ型(法人向け) 要問い合わせ 無料デモ・相談 財務、管理、原価、連結会計 法人向け高機能ソフト。部署別の損益や監査にも対応。内部統制も強化可能。
Taxnote スマホアプリ 無料プランあり / Plus:292円/月 全機能無料体験可 仕訳入力、エクセル出力、複式対応 スマホで完結型。通帳のような一覧で分かりやすく、CSV出力で他ソフト連携も可能。

❓ よくある質問(FAQ)

Q1. 無料でずっと使える会計ソフトはありますか?
A. やよいの青色申告オンライン(フリープラン)Taxnoteは、機能制限つきで無料利用可能です。
Q2. スマホだけで確定申告できますか?
A. はい。freee会計マネーフォワード クラウド会計は、スマホで申告書作成〜電子申告まで対応しています。
Q3. 初心者向けでおすすめのソフトは?
A. やよいの青色申告オンラインみんなの青色申告は、画面設計がやさしく、ナビ付きで操作もかんたんです。
Q4. 他ソフトからの乗り換えは簡単?
A. 多くの会計ソフトがCSVインポートに対応。freee・マネーフォワードは乗り換えガイドも完備しています。

パッケージ型は、初期費用は高いですが、運用時のコストが抑えられる利点があります。これに対して、クラウド型は、運用時にもそれなりのコストがかかるのが欠点です。

このため、自身の業務にあった会計ソフトを選択するのがよい、と思われます。

特に、確定申告との絡みで、一括支払いを選択したい場合もあるかと思います。自分にあった会計ソフトを選ぶことをおすすめします。

一括支払いの会計ソフト(パッケージ型):「みんなの青色申告」「MJSかんたん 青色申告」「勘定奉行」など

一括支払いは、個人事業主としては確定申告などとのからみで、メリットの大きい方法となります。

一括支払い型の会計ソフトといえば、パッケージ型のソフトです。

パッケージ型としては、「みんなの青色申告」「MJSかんたん 青色申告」「勘定奉行」などの会計ソフトがあります。

まず「みんなの青色申告」は、青色申告というように、最初から確定申告に対応したソフトです。

ソリマチ株式会社が提供するインストール型の会計ソフトが、「みんなの青色申告」で、23年間の実績を有しています。クラウド型ではないので、初期費用はかかりますが、毎月の運用費用はかかりません。

MoneyLinkというパソコンを起動するたびに、金融機関から最新データを取込む独自機能も持っています。一度インストールするだけなので、その方がコストもかからずよいという人には、おすすめのソフトです。

同社では、「自動化+サクサク動作で、青色申告もこわくない」をモットーとしており、「インストール型ソフトならではの軽い動作と、クラウドの利便性を掛け算して、圧倒的に使いやすくなったみんなの青色申告がオススメです。」としています。

参照元:みんなの青色申告

次に「MJSかんたん 青色申告」も、確定申告対応で一括支払い型のソフトです。

株式会社ミロク情報サービスが提供する、パッケージ型の会計ソフトとなっています。パッケージ型の会計ソフトの中では、比較的には割安に利用でき、30日間の無料トライアル期間があるので、その中でソフトの適性を確認することができます。

同社では、「一般的な勘定科目はあらかじめ登録されているので、科目を選んで金額を入力するだけのかんたん操作で、記帳作業ができます。入力したデータは、自動で関連資料に反映されます。」としています。

参照元:かんたん!青色申告

これらのふたつのパッケージ型ソフト以外に、「勘定奉行」という会計ソフトもあります。

財務会計システムとしては、最大手で、個人事業主向けの会計ソフトを提供しています。導入後も最新のバージョンアップも可能なため、税制改正などにも柔軟に対応可能です。

参照元:財務会計システム 勘定奉行クラウド

ソフト名 料金(税込) 対応OS 主な機能 無料体験 特徴 向いている人
みんなの青色申告 11,000円(買い切り) Windows 帳簿作成、仕訳帳、損益・貸借レポート、申告書作成 15日間体験版あり 画面が直感的で、必要機能が厳選されており、初心者にも扱いやすい。 会計初心者、コストを抑えたい個人事業主
MJSかんたん青色申告 13,200円(買い切り) Windows 帳簿・仕訳入力、申告書、レポート、印刷対応 30日間体験版あり 仕訳と帳簿を同時表示で操作性◎。見やすい画面と手厚い操作サンプル付き。 やや慣れている人、安心感とサポート重視
勘定奉行 要問い合わせ(カスタム対応) Windows 財務会計、管理会計、原価管理、連結会計など法人向け高機能 無料デモ・相談あり 中堅企業向けの本格派。部門別損益や内部統制機能も対応。拡張性◎ 法人、中小企業、チームで使う会社経理担当者

クラウド型の会計ソフト:やよいの青色申告オンライン、マネーフォワード、freee

パッケージ型のような一括支払い型の会計ソフトではありませんが、毎月の課金がOKの場合は、クラウド型の会計ソフトもおすすめです。

クラウド型会計ソフトで有名なのは以下のソフトです。

  • やよいの青色申告オンライン
  • マネーフォワード
  • freee

やよいの青色申告オンライン

まず、確定申告でも実績のある「やよいの青色申告オンライン」があります。

年会費制(毎月課金ではない)のみとなり、年27800円となりますが、初年度は無償という特典がついています。

同ソフトは、会計事務所としては、国内大手で且つ実績のある「弥生会計」事務所が提供する、クラウド会計ソフトです。

各地域にある「青色申告会」でも、本ソフトを推奨している場合も多くなっています。

「会計ソフト「弥生会計」なら、初心者でもすぐに使い始められ、帳簿付けから経営状態の確認、試算表、決算資料までかんたんに作成できます。」をモットーに、小規模法人や中小規模法人に適したソフトとして、「やよいの青色申告ソフト」などを提供しており、同ソフトでは1年間無料で試用でき、最初の取りかかりの会計作業にも最適です。

同社では、「かんたん、気軽に使えるインターネットにアクセスして利用するタイプの会計ソフトです。Macをメインで使っている方、手軽さと利便性を重視する方におすすめです。」としています。

参照元:弥生の会計ソフト

ソフト名 やよいの青色申告オンライン
運営会社 弥生株式会社(Yayoi Co., Ltd.)
対応OS・デバイス Windows / Mac / スマートフォン(iOS・Android対応)
料金プラン フリープラン:無料(機能制限あり)
ベーシックプラン:12,650円/年(税込)
トータルプラン:23,100円/年(税込)※電話・画面共有サポート付き
無料体験 ベーシックプランが1年間無料(初年度限定)
主な機能 ・青色申告対応帳簿の作成
・青色・白色申告書類の作成(電子申告対応)
・仕訳ナビ、自動仕訳補助
・スマホでレシート撮影→読み取り
・銀行口座やカードと連携して明細自動取得
・売上・経費などのグラフ表示
特徴 ・はじめてでも安心なナビ形式の操作画面
・クラウド型でインストール不要、Mac対応
・フリープランでも申告書の作成が可能
・入力ミスを防ぐガイドと補助機能あり
サポート体制 ・メールサポート(ベーシック以上)
・電話&画面共有サポート(トータルプラン)
・FAQ・チャットボット・公式ガイドも充実
おすすめユーザー ・初めて青色申告する個人事業主
・帳簿付けや確定申告が苦手な方
・コスパ重視で導入したい方
公式サイト
青色申告ソフト(クラウド)「やよいの青色申告 オンライン」 - 弥生株式会社【公式】

「やよいの青色申告 オンライン」は、最も利用されているクラウド青色申告ソフトです。経理や簿記の知識がなくてもかんたんに青色申告ができます。1年間無料でお使いいた…

マネーフォワード

次に、金融サービス仲介業大手「マネーフォワード」があります。

年会費制と毎月課金の両方となり、年会費制では35,760円(月額換算:2980円)となり、やよいの青色申告オンラインより高くなります。なお毎月課金では、3,980円と比較的高くなります。

ただ、金融サービス仲介業大手で、またクラウド会計としても、会計ソフトで長年の実績もあります。

法人・個人事業主向けのクラウド会計を提供しており、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しています。

同社では、「インターネットバンキング・クレジットカード・電子マネー・POSレジなどの様々なサービスと連携することで、日々の取引明細データが自動取得されます。」としています。

また同社調査では、クラウド会計ソフトを導入して、会計業務は約2分の1に削減できた、としています(下記:同社のアピールポイント)。
・日々の取引の入力など面倒な作業は自動化し、業務効率を大幅に改善。
・データをクラウドに集約し、経営の見える化を実現します。

参照元:クラウド会計ソフトなら「マネーフォワード クラウド」

ソフト名 マネーフォワード クラウド会計
運営会社 株式会社マネーフォワード(Money Forward, Inc.)
対応OS・デバイス Windows / Mac / スマートフォン(iOS・Android対応)
料金プラン パーソナルミニ:月額1,408円 / 年額10,560円
パーソナル:月額1,848円 / 年額12,936円
パーソナルプラス:月額3,278円 / 年額35,760円(電話サポート付き)
無料体験 30日間無料トライアル(全プラン対象)
主な機能 ・青色申告対応の帳簿作成、確定申告書類出力
・銀行・クレジットカード・電子マネーとの自動連携
・請求書作成、経費精算、給与連携機能あり
・電子帳簿保存法/インボイス制度/e-Tax対応
・部門別・プロジェクト別の損益把握
特徴 ・金融データ自動連携が非常に強力
・スマホからも仕訳・チェックがスムーズ
・freeeよりも帳簿・仕訳の自由度が高め
・請求・給与・契約など他サービスとの統合が得意
サポート体制 ・チャット・メールサポート(パーソナル以上)
・電話サポートあり(パーソナルプラス)
・操作マニュアル・セミナー動画も充実
おすすめユーザー ・経費や請求書など会計周辺業務も一括管理したい方
・銀行・クレカ連携で業務を自動化したい方
・スマホとPCを併用したい事業者
公式サイト

マネーフォワードの評判・特徴を分析した記事も参考に

マネーフォワードクラウド会計の評判と特徴を詳しく解説します。

毎年の決算業務・確定申告でお悩みはありませんか? 事業経営者、フリーランスとして活動されている方にとって、経理や確定申告は避けて通れない業務ですよね。 しかし、その煩雑さや手間に頭を抱えている方も多いのではないでしょうか […]

freee:年会費も安価なクラウド型の会計ソフト

コスパを重視するのであれば、安価なクラウド型の会計ソフトとして、「freee会計」があります。

クラウド型の有利な点も活かしつつ、毎月の課金も他の大手会計ソフトに比べれば、安価となっています。

下記のような料金プランを提供しており、自分にあったプランから開始することも可能です。一番の利点は、毎月の費用が、年払いの場合「1千円」を切っていることも魅力です。

参照元:freee会計/料金プラン

同社は、クラウド会計ソフト大手で、クラウド型では国内ナンバーワンのシェアを持っています。個人事業主以外にも、多くの事業会社も利用しています。

以前pasture(現:freee 業務委託)と呼ばれたクラウド型ソフトでは、依頼元企業を中心として、個人事業主も参加できるような仕組みが構築されています。

この場合は、依頼元企業が月額使用料を払えば、個人参加の個人事業主は、当該プロジェクトでの会計処理は、無償で利用することができ、大きなメリットとなります。

同社は、下記のモットーをもとに、幅広いニーズに対応しています。今回記事でも取り上げた内容とも関連しており、クラウド会計初心者でも割合に使いやすくなっています。

  • 確定申告も決算業務もまとめて効率化
  • 日々の面倒な経理作業も、自動化により作業短縮。
  • わかりやすい画面で、初めての方の操作も安心。
ソフト名 freee会計
運営会社 株式会社freee(freee K.K.)
対応OS・デバイス Windows / Mac / スマートフォン(iOS・Android対応)
料金プラン スタータープラン:月額1,628円 / 年額19,360円
スタンダードプラン:月額2,948円 / 年額31,680円
プレミアムプラン:月額3,647円 / 年額39,600円(電話サポート付き)
無料体験 30日間無料トライアル(全プラン対象)
主な機能 ・青色申告・白色申告対応の書類作成
・スマホでレシート撮影→自動仕訳
・銀行・カード・電子マネーの明細自動取得
・請求書・見積書・納品書の作成
・e-Taxや電子帳簿保存法に対応
特徴 ・簿記の知識がなくても操作しやすいUI
・ステップ形式で確定申告が迷わず完了
・副業や複数事業にも対応可能
・クラウドなのでPC・スマホ間のデータ共有も簡単
サポート体制 ・チャット・メールサポートあり(全プラン)
・電話&優先サポート(プレミアムプラン)
・公式ヘルプ・使い方動画・オンラインセミナーも充実
おすすめユーザー ・会計初心者、簿記知識ゼロの個人事業主
・副業や小規模事業を複数運営している方
・スマホやタブレットで完結させたい人
公式サイト

freee会計の評判・特徴を分析した記事もございますので、参考にしてください。

クラウド会計ソフトfreeeの評判と特徴を詳しく解説します。

毎年の確定申告や経理業務で頭を悩ませていませんか? フリーランスや個人事業主、中小企業経営者の方にとって、経理は切り離せない業務。 しかし、その作業量や複雑さに困っている方は多いのではないでしょうか。 そんな方におすすめ […]

会計ソフトの選び方に関するQ&A よくある質問

初心者には、直感的に操作できるクラウド型の会計ソフトがおすすめです。たとえば、マネーフォワード クラウド会計は、スマホやパソコンで簡単に入力できます。初心者向けの使い方動画や解説記事が用意されているため、安心してはじめられます。また、面倒なデータ移行や初期設定を代行する導入支援もあり、サポート体制が整っています。
(参考:マネーフォワード クラウド会計|スマホで使えるおすすめの会計ソフトは?

一部無料で利用できるソフトもありますが、機能が限定的です。また、利用規模に制限がある場合も多いため、事業のニーズに合うか確認する必要があります。弥生会計オンラインなら、1年間無料ですべての機能を使用できます。無料版を試しつつ、必要に応じて有料版に移行することを検討しましょう。
(参考:弥生|クラウド会計ソフトなら無料で試せる弥生会計オンライン

スマホでも利用でき、銀行口座やクレジットカードのデータ連携が簡単なため、個人事業主にはクラウド型がおすすめです。税法改正への対応やバージョンアップが自動で行われるため、手間がかからない点もメリットです。オフライン環境で使用したい場合やランニングコストを抑えたい場合は、インストール型を選択しましょう。
(参考:マネーフォワード クラウド会計|無料で試せる経理・会計ソフト マネーフォワード クラウド会計

インストール型の会計ソフトであればソフトの購入費用だけで月々の使用料は必要ありませんが、クラウド型の場合は毎月使用料を支払わなければなりません。しかし、インストール型のソフトは税改正などに伴うアップデートが行われる際のバージョンアップでは、更新費用がかかるケースもあります。また、会計ソフトによってはサポートが有償の場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
(参考:マネーフォワード クラウド会計|会計ソフトのランニングコストはどんなものがある?削減するには?

A. 多くの会計ソフトは、領収書管理機能を備えています。スキャナやスマホ用アプリを使い領収書の内容を読み取れる機能があるソフトなら、日付や金額などがデータ化され自動で会計ソフトに取り込まれます。さらに、自動仕訳機能があれば仕訳も自動で行われます。従来のように1枚毎に領収書の内容を打ち込んだり、仕訳に迷ったりする必要はありません。
(参考:freee会計|領収書の管理

開業届を出していなくても、事業的な収入がある場合は会計ソフトを活用すると便利です。事業を本格化させた際の準備として記録を残しておくことができます。青色申告へ移行する予定がある場合は、移行が楽なものを選択しましょう。ただし、会計ソフトの導入に費用をかけても白色申告には特別控除がないため、メリットが少ない点は理解しておきましょう。
(参考:弥生|個人事業主におすすめの会計ソフト(確定申告ソフト)は?選び方を解説

freeeは、簿記知識がなくても使いやすいシンプルなUIと自動化が特長で、初心者に向いています。マネーフォワードは、請求書や給与、経費精算など周辺業務との連携に強く、業務全体を一元化したい人におすすめです。やよいの青色申告オンラインは初年度無料やサポートの充実など、コスパと安心感を重視する人に向いています。

はい、クラウド型であればMacでも利用可能です。freee・マネーフォワード・やよいの青色申告オンラインはすべてブラウザベースなので、WindowsでもMacでも問題なく使えます。スマホアプリにも対応しています。

多くのクラウド会計ソフトは、銀行レベルの暗号化通信・2段階認証・情報管理ポリシーなどを導入しています。freeeはプライバシー認証(TRUSTe)も取得しており、セキュリティ対策は非常に高水準です。

はい、クラウド型会計ソフトなら、税理士をアカウントに招待してリアルタイムに帳簿やレポートを共有できます。メールやExcelのやり取りが不要になり、確認・修正もスムーズです。

基本的には切り替えが必要です。個人と法人では会計処理や税制度が異なるため、法人専用プランやソフトを選ぶ必要があります。freeeやマネーフォワードは、法人プランへの移行がスムーズに行える設計になっています。

まとめ

会計ソフトについて、その基礎から応用分野、特に税制対応などを含めて、詳細に説明しました。

特に、各社の会計ソフトに関する参照元を記事内に記載しましたので、ご自身でも実際に当該ホームページを参照してみることをおすすめします。

本記事が、個人事業主のみなさまにとって、必要機能を有する会計ソフトを選択するための検討のお役に立てば幸いです。

会計ソフトについてのご不明点についてはお気軽にお問合せくださいませ。

会計ソフト導入のタイミング」については以下の記事も参考にしてください。

会計ソフトを導入・変更する時期はいつが良いか【企業・個人事業別に解説】

この度はContext会計事務所のコラムをご覧いただきありがとうございます。 当会計事務所は会計ソフト導入支援コンサルタントを行っていますので、「会計ソフトを導入・変更する時期はいつが良いの?」この様なご質問を受けること […]

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著者情報

早川覚
早川覚公認会計士・Context会計事務所代表
公認会計士、Context会計事務所・株式会社ContextJapan代表として、会計ソフト導入支援、コンサルを行っている。その他、法人化、バックオフィス整備等、経営者の裏方業務を専門としている。